ちゃぷれんの広場

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5月のコラム (2024年05月05日)

〈チャプレンのコラム〉

水のように

「水は善く万物を利して争わず」という老子の言葉があります。水は、万物に利益を与えつつ、決して、他とは争わないという意味です。境野勝悟さんがある本で、この老子の言葉について、次のような言及をされていました。

「水は、丸い器に入ると、丸くなる。四角の器に入ると、四角になる。どんな形の器にもさからわない。柔軟であり、謙虚である。」

水は、私たちの生活においてなくてはならない大切なものです。それほど偉大な存在でありながら、決して誇ることをしない。常に柔軟であり、謙虚であるそのような水の在り方から、私たちにとって学ぶものがあるのだと言います。

時に、私たちは、他者と争うことがあります。もちろん自分の主張を曲げない信念を持つことも大切なことです。けれども、場合によっては、水のように、相手に応じて自分自身が柔軟に変わっていく謙虚さも時に必要なのでしょう。

ところで、高い地位や名誉を欲しがって、私たちが上を目指そうとするのが今の競争社会だとすれば、水は、その反対に下へ下へと流れていきます。もちろん、自分の目標に向かって、上を目指すことも大切なことですが、そのことに疲れた時は、いったんこの身をおゆだねして、水のように下へ下へと流れてみるのも良いのかもしれません。下へ下へと流れていった先に、最後はイエス様がその私を受け取ってくださる。そのように、イエス様はいつも私たちと一緒に歩んでくださっていることを覚えたいと思います。