園長先生のコラム

12がつのコラム (2022年12月01日)

<チャプレンのコラム>

さみしいし、うまくいかないし、だからクリスマス

高地 敬

『ごんぎつね』という90年も前の絵本ですが、今でも通用する人間の複雑な思いの込められた作品です。

一人で生きている、いたずら好きのキツネのごん、母親に孝行しようとしてうまくいかなかった兵十(ひょうじゅう)。この一匹と一人がさまざまに関わります。ごんは、いたずらをしたお詫びに魚を盗んで兵十の家に投げ込みますが、そのために兵十はどろぼうにされて魚屋に殴られたりと、ほとんどすべてがうまくいかない。ごんも兵十も気持ちはやさしいのですが、それが相手に全然伝わらない。そしてとっても悲しい結末となりますが、最後の最後に初めて気持ちが通じておりました。

久しぶりに読んで、「絵本の話だけど、私たちのことだな」と思いました。うまくいかないことが多くて、なんか誤解されてるなと思うことも多くて、だからあきらめてしまうことも多い、そんな私たちの姿が絵本の中に込められています。

神様のお恵みは、何でもたいていうまくいっていて、困ることも少ないような人ではなくて、ごんや兵十のような人にたくさんあるのだと思います。それがクリスマスでありましたし、クリスマスの中で伝えられている神様のお恵みでありました。