園長先生のコラム

5月のこらむ (2023年05月01日)

わたしたちに向かって語りかけられる神さま

チャプレン 藤井 和人

ちょうど一年前から、私は運動不足解消のために、野鳥観察を始めました。カメラを片手に、近くの公園や森に足を運びますと、そこにはさまざまな種類の野鳥たちが生息していることに気づかされます。野鳥たちの鳴き声に耳を傾けてみますとどうでしょうか。近くで小鳥がさえずると、それを聞いていたのか、遠くの方から同じように、別の小鳥がさえずります。まるで小鳥同士が互いに対話をしているかのようです。

今月の主題聖句は、「主よ、(サムエル記上39節)です。旧約聖書に登場します少年サムエルは、「サムエルよ」と呼びかける神さまの声を聞きました。そこで少年サムエルは「お話ください。僕は聞いております」と神さまに向かって応答します。そのようにして少年サムエルは、神さまとの対話の中で、神さまと出会い、それ以後、神さまのメッセージをイスラエルの人々に語る預言者となっていきました。

神さまは、単に高いところにある天からこの地上を傍観者のように眺めておられるだけではありません。神さまは、私たちを呼ばれ、私たちに向かって語りかけられます。大切なことは、少年サムエルが「お話ください。僕は聞いております」と神さまに向かって言ったように、私たちも、聖書のみ言葉を通して、今も語りかけておられる神さまの声に耳を傾けていくことなのでしょう。そのように聖書のみ言葉を「聞く」ことを通して、神さまの愛、神さまがいつも私たちを大切に守ってくださっていることを私たちは知っていくのだと思います。